恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】
成長するにつれ、涼太は女言葉を話さなくなった。
が、女言葉を否定しない圭介の前では、涼太は以前とかわらない口調で話す。

それでも、涼太は確かに男として成長している。

小さい頃、圭介の肩あたりだった涼太の身の丈は、去年、圭介の身長を追い抜かした。

圭介は隣に座る涼太を、検分するかのように、見た。

きりりとあがった眉。鼻は高く、幅のせまい二重の瞳はつよく、鋭い。
昔のような、純真な愛らしい女性的な美しさから、鋭利な刃物のような、周りを圧倒する男性的な険しさが増してきた。
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