恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】
「いいなぁ、せたやん優しくて。陸上部なんて最悪だよー。鬼山なんてシゴキの差し入ればっかだよ」

「杉山が聞いたら怒るぞ。まだアイスあるから、持ってきてやろうか?」

花がアイスをとりにいこうとすると、朝比奈は花の手をつかんだ。

「こっちでいいや」

朝比奈の赤い舌が、白いアイスの側面をはった。

「あーうまい!生き返る!」

おいしそうにアイスを咀嚼し、満足そうに朝比奈は微笑んだ。
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