恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】

圭介は涼太が、自分以外の人のそばで笑う話を聞くのは耐えれなかった。

「じゃあまたな」
『うんまた電話する』


梓は、圭介の家の前に立ち、圭介の部屋のあかりを見上げながら携帯電話を切った。

「けー兄ちゃんには、あたしみたいな一途な女が似合うのよ」

梓は可憐な顔に、歪んだ笑みを浮かべ、きびすを帰し、家の前から立ち去った。

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