恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】

梓は家に帰ると、制服のポケットからカギを取り出し、そっと自室のドアのノブを回した。

そして、誰にも見られないように素早く、ドアをしめた。

隣の部屋から、激しい叫び声と、人を殴る音が聞こえて、梓は布団に潜り込み、音楽のヘッドフォンを耳につけた。

「香、もう辞めてくれ」

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