恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】

CDコンポを最大音量にする直前、梓の耳に姉の恋人の悲痛な声がかすめた。

構わず、梓はボリュームをあげた。

仕方がないのだ。

あれが姉と恋人との愛の形。

下手に自分が間にはいっても、殴られるだけだと、梓はすぎりと痛んだお腹をさすった。

そこには、姉からうけた、暴行の跡がある。

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