恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】
あの時のことを思い出すと、未だに頭の芯の部分がくらくらとする。


金曜日の夜。
二人でデートをした帰り道。

「遊!私、今、遊しか好きな人いないから!」

前の恋を断ち切ったことを香は宣言すると、笑顔で朝比奈と別れた。

ようやく手に入れた幸せに、朝比奈は顔を真っ赤にして立ちすくむだけだった。


そして悲劇は、幸せのその後に訪れた。


いつものように、家の前まで送ればよかっただろうと、何度後悔しただろう。
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