恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】
『そういう思わせぶりな言葉は、やめろ』

苦しげな、花の言葉に朝比奈は胸が痛んだ。

あぁ、俺はどれだけこの子を傷つけたんだろうと。

申し訳ない気持ちと、もう一つの感情がもたげた。


花に対する小さな芽生えた気持ち。

「思わせぶりじゃないよ、本当に、本当に声が聞きたかったんだ」

朝比奈はようやく、自覚した。
自分が花に惹かれていることに。

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