恋が叶うなんて思うなよ。【中編・完結】
花の凜とした背中が好きだった。

花の、ぶっきらぼうな口調がかわいかった。
花の時折見せる、優しい笑みに心が揺れた。

『それ、は、どういう…意味だ』

花の声が震えている。

あぁ、愛おしい。
そしてうれしい。

今まで恋は叶わないものと思っていた。

香のことがあって、尚更恋は叶わないものだと思っていた。

なのに、愛された。

そして、恋をした。

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