お告げの相手は誰ですか?
お告げ その壱

   天国から地獄へ




それは伊集院家の女子に伝わるまがまがしい言い伝え。

年頃になった娘は、ある朝はっきりとした夢を見る。
不思議と二人称の夢らしい。
男と女の交わる夢。
交わるの意味はその人でかなり違うらしいが…

夢を見て三か月以内にその男に知り会えれば間違いなく結婚し幸せになる。
会えなければ残念ながら一生独身の道を歩むこととなる。

それがこの家に生まれた女の子の宿命。
幸せになるもならないも夢次第…





律はそんな馬鹿げた話を母や祖母にいつも真剣に聞かされていた。



「ママもおばあちゃんもたまたま夢に出てきた人とたまたま結婚しただけの話じゃないの?

私は全く興味ない。
ごめんだけど…」



「そんなことないのよ、律。
おばあちゃんのお母さんもそのまた…」



「分かったから。
でも私で途切れる事だってありうるし、知美お姉ちゃんで途切れてるかもしれないじゃない?

だから、この話はもう私の前でしないで」










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