お告げの相手は誰ですか?
律は頭が真っ白になっていた。
まだつき合ってもいないのに結婚だなんて…
「俺は、この6年間ずっとこの家でひきこもりのような生活をしてきた。
清花の仕事の手伝いもここで十分できるし、優花の面倒も好きなだけ見れる。
俺にとっては何の不満も不自由もない楽な生活だったんだ。
親父が死んで、おふくろもいないし、俺の家族は清花と優花だけでその事にひどく固執してた。
でも…」
右京は律の手の甲を優しく撫でている。
「でも…
初めて自分の居場所を見つけた気がするんだ」
右京は律の手を引き、また自分の胸に抱き寄せた。
「律に会ったその日から、律は俺の全てになった。
俺は律がいないと生きていけないし、きっと律だって、俺がいないと生きていけない。
…だろ?」
律はまた涙が溢れた。