お告げの相手は誰ですか?
「でも?」
煮え切らない律の態度に右京はいささか傷ついていた。
「右京さん…」
右京は律が何を言い出すのか気が気じゃない。
結婚できませんなんて言うんじゃないぞ。
「右京さん…
駆け落ちしませんか?
いや、私が伊集院家を捨ててここに来ます」
右京は律の言っている意味がさっぱり分からなかった。
「駆け落ちって、反対された二人が逃げる事だろ?
我が家は律が俺と結婚してくれるなら、清花も優花も無条件で受け入れてくれるよ。
別に何も心配は… え?
もしかして?
律の家?」
律はもう涙も枯れ果てていた。
今さらながら、あのお告げの呪縛に振り回されていいる自分が馬鹿らしく思えた。
「右京さん、私、決めました。
右京さんと絶対結婚します。
でも、うちの家族は全力で私達の結婚を反対するので…
右京さん、私と戦ってくれますか?」