お告げの相手は誰ですか?
「戦うって…」
結婚って戦って手に入れるものなのか?
右京はさっきまでメソメソ泣いていた律が、鼻息荒く宣戦布告をしている現況についていけずにいた。
「戦うって、俺はまだ律のご両親にも会ってないし」
「そんな事全然関係ないんです」
右京の言葉を遮り、律は畳みかけるように言った。
「誰でもダメなんです。
右京さんの性格が仏さまより良くっても、祖母の大好きな田村正和よりハンサムでも絶対ダメなんです」
確かに、俺は仏さまより性格は悪いし田村正和よりイケメンじゃない。
というか、この比喩自体ぶっ飛んでいる。
「俺がどういう風にふるまえば、おばあさん達は認めてくれる?」
律は顔をしかめた。
「どうふるまっても無理なんです」
右京は何の問題もなく律と結婚できると思っていた。
「じゃ、誰だったら律と結婚んできるんだ?」
律はすぐに右京から目をそらした。
あ、これは、誰かいるな…