お告げの相手は誰ですか?




「何? もしかして、婚約者とか許嫁とか?」


律はこれまでお告げの話は誰にもしたことはなかった。
伊集院家に伝わるただの言い伝え。
今のこの時代にお告げとかあり得ないし、皆、きっと大笑いするだろう。
信じる信じないもあなた次第…
残念なことに律の家族は全員が信じている。


「ううん、そんなんじゃない」



「でも、誰かいるんだろ?
誰だよ、そいつは」


律は必死に隠そうとしたが、右京はそういう時だけ勘がいい。
それに、もうすでに名前も顔も知らない相手に嫉妬の炎を燃やしている。



絶対に言えない…
言えるはずがないじゃない…

お告げの相手はキリン君だなんて…




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