お告げの相手は誰ですか?
でも、右京は律が自分との結婚を決心してくれた事だけで感動していた。
駆け落ちなんかしなくてもいい。
ちゃんと律のご両親に挨拶に行けばきっと分かってくれるだろう。
俺も律のためなら、一生懸命、誠心誠意、ご家族に頭を下げることだってできる。
右京はこの時まではまだ平和だった。
律の家にまつわるまがまがしいお告げの話を聞く時が来るまでは…
「律?
俺は本当は明日にでも結婚したいくらい。
まだ会って2週間も経ってないのに何なんだろうな、これって。
俺は…
多分、ガキの頃から本当は温かい家庭っていうのに死ぬほど憧れてたんだ。
でも、俺にとって温かいとか幸せとかは手の届かない遠い夢と一緒だった。
望めば望むほどみじめになるし辛くなる。
でも、律に会って、今は素直に幸せになりたいし、律を幸せにしたいって心から思ってる」
右京は律のくちびるに軽くキスをして、こうささやいた。
「律、子作りしよう…
今すぐに律を抱きたい」
今度は律の方から優しくキスをした。
「子作りって…
他に素敵な言い方はないの??」
右京は律の口をキスでふさぎ、抱きかかえて自分のベッドに連れて行った。