お告げの相手は誰ですか?
負けないで…か。
伊集院貴子。
伊集院一族のトップに立つ女性。
歴史ある伊集院グループを倒産の危機から救った経緯は、企業家の間では有名な話だ。
右京は自分の性格を誰よりも理解している。
男特有の俺様気質だ。
プライドが高く、人の下に付くことが苦手で、それでいて心はストレスに弱い。
右京はあまり深く考えないことにした。
考え過ぎるとろくなことがない。
「ただいま~~~」
清花達が帰ってきた。
優花は慌ててリビングに入ってくると、律の事を捜している。
「右京、律さんは?」
もう涙目になっている。
「帰ったよ」
優花はその言葉で大声で泣き出した。
右京を睨みながらクッションを叩いて泣いている。
「だからママが言ったでしょ?
急いで帰っても律さんはいないって」
優花はますます大声で泣いた。
「優花、右京がとってもハッピーになる話をするから泣き止んで。
清花もちょっとここに座って」