お告げの相手は誰ですか?



清花は弟の顔つきが変わっている事に気づいていた。


「え~、阿部右京は、伊集院律さんと結婚します」


清花も優花も最初は信じなかった。
また、右京の勝手な思い込みなのではと思っていたから。


「右京、本当??」


優花は右京の大胆宣言で涙も引っ込んでいる。


「本当だよ~ん。
それで、今日の7時に律の家に挨拶に行ってきま~す」



「じゃ、じゃ、これから律さんは優花達の家族になるの?」


右京は優花を手招きした。
優花が目の前に来ると右京は手のひらを掲げ、二人で大きくハイタッチをした。


「やった~~~~」


優花はソファの上で飛び跳ねている。


「清花は?
嬉しくないの??」


右京は一番喜んでもらいたい姉の複雑な表情に少し心が傷ついた。


「死ぬほど嬉しいけど、死ぬほど心配…
あなた、ちゃんと挨拶ができるの?

人生で一番の正念場よ」




< 118 / 152 >

この作品をシェア

pagetop