お告げの相手は誰ですか?
清花は弟の顔つきが変わっている事に気づいていた。
「え~、阿部右京は、伊集院律さんと結婚します」
清花も優花も最初は信じなかった。
また、右京の勝手な思い込みなのではと思っていたから。
「右京、本当??」
優花は右京の大胆宣言で涙も引っ込んでいる。
「本当だよ~ん。
それで、今日の7時に律の家に挨拶に行ってきま~す」
「じゃ、じゃ、これから律さんは優花達の家族になるの?」
右京は優花を手招きした。
優花が目の前に来ると右京は手のひらを掲げ、二人で大きくハイタッチをした。
「やった~~~~」
優花はソファの上で飛び跳ねている。
「清花は?
嬉しくないの??」
右京は一番喜んでもらいたい姉の複雑な表情に少し心が傷ついた。
「死ぬほど嬉しいけど、死ぬほど心配…
あなた、ちゃんと挨拶ができるの?
人生で一番の正念場よ」