お告げの相手は誰ですか?
「お告げの相手??」
譲二はいかにもついていけない顔をしている。
「譲二さんだって、私のお告げの相手だったのよ。
ちゃんと私の夢に現れたんだから。」
恵美は寂しそうな目をしているが、それでも喜んでいるのが見てとれる。
「あの、違うの…
私が結婚する人は、お告げの相手じゃない。
お告げの相手じゃない違う人なの…」
一瞬で部屋の中が凍り付いた。
律は祖母達の顔を見ずにペラペラ喋り始めた。
「社長の弟さんで今は第一秘書をしてる人なの。
ゆくゆくは副社長なるみたい。
顔もすごいイケメンだから、きっとママやおばあちゃんも気に入ってくれると思う」
誰も何も言わない。
「そういう事なので、今日はよろしくね」
律は早く自分の部屋に帰りたかった。
でも、すぐに貴子の声が鳴り響いた。
「律、結婚は認めません。
つき合うのなら好きなだけつき合えばいい。
そのうちにその彼とは自然と消滅するんだから」