お告げの相手は誰ですか?
右京は、これから一体自分に何が待ち受けているのか想像すらできなかった。
「あのね、うちの家族が私達の結婚に反対する理由は…
代々と結婚相手は夢に現れる人って決まっているからなの。
伊集院家の女子はお年頃になったら、そのお告げの夢が現れる。
その夢に出てきた人と三か月以内に出会わなければその女子は一生独身で、出会って結ばれたなら一生幸せに暮らせるという話…
母も祖母も曾祖母も、その夢を見てその人と結ばれたということ」
右京は必死に頭の中でそのおとぎ話を整理していた。
「その夢の中に出てくる男っていうのは、実在する人なのか?」
「うん、そうらしい…」
右京はおとぎ話としてはよくできた話だと感心していた。
「でも、おとぎ話なんだろ?」
「うん…
私の家族以外ではね…」