お告げの相手は誰ですか?



右京は律の顔を覗きこんだ。


「と、いうことは?」



「そう、私の家族は頭のてっぺんからつま先までその話を信じてる」


すると、急に律が歩くのを止めた。
遠く見える大きなお屋敷を目を細めて眺めている。


「も、もしかして、あ、あの家が律の家??」


ここは都心でも一等地と言われる場所だ。
その中で、広大な敷地に由緒正しく堂々とそのお屋敷は立っていた。
庭なのか、森なのか、鬱蒼と茂る木々や緑は、ここは魔女屋敷と言っているようだ。

右京は、さっきの律の話が真実味を帯びてくるのを感じていた。


「り、律、お前のおばあさんって魔女ってことはないよな?」


律は声を上げて笑った。
右京のこういうところが大好きだ。
深刻な時に、不思議と笑いの神を連れてくる。
本人はいたって真剣というところがますます笑いを誘った。


「魔女ではないけど、魔女より手ごわいかも…」



右京は耳をふさぎたくなった。


俺は究極の怖がりなんだ〜〜




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