お告げの相手は誰ですか?



「亘、おばあちゃん達の様子は?」



「もう、勝ち誇ったような顔してる」


律はもう戦うしかないと心に誓った。
負けるわけにはいかない。


「右京さん、大丈夫だから…
私に任せといて。
右京さんは銅像のように座ってればいいから」


本当に銅像になりたい…


亘が先を行き、律と右京が後をついてリビングへ向かった。


「ばあちゃん、姉やんの結婚相手すっげーイケメン。
これを反対するのは、野暮だと思うよ~~」


亘はそう言うと、右京にウィンクして自分の部屋へ行った。

右京は恐る恐るリビングへ足を踏み入れた。
魔女の館を想像していたそのリビングは、現代風で明るく全く陰気臭くない。


応接セットの奥のソファに譲二と貴子が座っていた。
母親の恵美はキッチンでお茶の準備をしている。


「は、初めまして…
阿部右京と申します…」



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