お告げの相手は誰ですか?



「右京さんはどちらの大学の出なの?」


右京の言葉は貴子によって途中で遮られた。
右京はこの貴子の無視に近い行為により、気持ちのスイッチが入れ替わってしまった。


俺は意地でも俺の言いたい事は絶対話す。


「大学は早稲谷大の政治経済を出ています」


貴子はちょっとだけ目を見開いた。
恵美の夫となった譲二は全く学歴がなかったから。


「素晴らしい。名門じゃないの」


右京はちょこんと頭を下げた。


卒業までに6年かかりましたなんて、何があっても言えない。


「お姉さまの噂は私達の耳まで届いてますよ。
あんなに若いのに会社を立ち上げて、それでいてあそこまで大きくしたんだもの。

律が“ALLmall”で働きたいって言った時も、あなたのお姉さまの会社なら働かせたいって思ったくらいだから」


貴子は本当にそう思っていた。
女性として清花の事はかなり気に入っている。



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