お告げの相手は誰ですか?
「おばあちゃん、その社長をずっと陰で支えてきたのは右京さんなんだから。
社長が右京の目利きがあったお陰なのって私に教えてくれたもの。
右京さんは仕事に関しては私が出会った誰よりも優れている。
おばあちゃんだって、仕事ができる人が大好きでしょ?
右京さんはそれに見合ってる」
右京は褒められるのに慣れていない。
でも、褒められる事は大好きだった。
やる気ががぜん湧いてくる。
「あの、僕と律さんの結婚を認めて下さい。
誰よりも大切にしますし、幸せにします…」
流れ的には唐突だったが、右京はどうにか伝える事ができた。
「どうか認めてもらえないでしょうか…?」
「おばあちゃん、ママ、パパ、お願いします。
私達の結婚を認めて下さい」
律も右京の横で頭を下げている。
律はこんな簡単に承諾してもらえるはずはないと思いながらも、右京の健気で律義な対応に感動していた。