お告げの相手は誰ですか?
「右京さん、頭を上げてくださいな。
どんなに頭を下げられても認められない事柄っていうのがこの世の中にはあるんです。
あなたの事が気に入らないとかそういう事ではなくてね」
右京はピンときた。
貴子は遠まわしだがお告げの夢の事を言っている。
「僕がお告げの相手ではないからですか?」
律は右京にこれ以上、この伊集院家の謎に満ちた事情を知られたくなかった。
知れば知るほど、怪しい宗教団体と思われても仕方ない。
「そう、あなたは律のお告げの相手じゃないから。
だから、律と結婚もできないし、ましてや幸せになんてなれっこない」
さすがの右京も背筋が冷たくなった。
貴子はやっぱり魔女なのかもしれない…
「もう、やめて。
くだらないし、バカバカしい。
誰が何と言おうと私は右京さんと結婚するし、絶対幸せになる。
なんなら、この伊集院の姓を捨ててもいい。
それくらい、私達は愛し合ってるの…」