お告げの相手は誰ですか?
「右京さん、ごめんね…」
帰りの電車の中で、律はそればかり言っていた。
「私にとっては、もうどうでもいいことなの…
だって、慎之介君よりはるかに右京さんの事が大好きなんだもの。
右京さんがさっき言ってたように、私の魂だって右京さんを求めてる。
右京さんなしの人生なんて考えられない…」
日曜日の夜の電車はいつもより人が少ない。
律は右京にもたれかかり、ずっと右京の手を握っていた。
「うん、もういいよ。
きりんの事は忘れた…
それより、律こそ俺を捨てんなよ…
後になってやっぱりきりんがいいなんて言い出したら、マジで俺、死ぬぞ」
律はクスッと笑った。
「絶対ない… 約束する…
だって、右京さんはうさぎなんだから寂しくなったら死んじゃうんだもんね。
きりんよりうさぎの方が可愛いから、絶対右京さんについていく」
右京は軽く口角を上げて微笑み、律の肩を自分に引き寄せた。
「それより、お前、こんな荷物抱えてどうするつもり??」