お告げの相手は誰ですか?
姉の心弟知らず
月曜日の朝は何かと忙しい。
特に“ALLmall”の社長の清花にとってはなおさらだ。
しかし、清花は何も仕事が手につかなかった。
右京に昨夜の事を何も聞いていない。
右京の帰りが遅かったため、夜は話すらできなかった。
そして、今朝、清花は我慢できずに聞いてみた。
「律さんの家族の方々はなんて?」
「あ~~、うん、…最悪」
「最悪??」
右京はその言葉だけを残し、シャワーに行ってしまった。
結局、清花は右京にそれ以外の事は聞けなかった。
自分が先に仕事に出てしまったから。
最悪って…
確実に反対されたのは分かる。
でも、今の右京に何か劣る点があるかしら?
今では毎日仕事にも出てきているし、学歴だって容姿だって人並み以上なはずなのに。
母親代わりで右京を育ててきた清花は、弟の幸せと自立だけを願っていた。
右京を幸せにしたい…
やっと本気で愛する人に巡り合えたんだもの。