お告げの相手は誰ですか?
「あの… 実は…」
律が口ごもっていると、清花が大きくため息をついた。
「ううん… もういい。
きっと私達の家庭環境が気に入らなかったのね。
私が頑張っているとはいえ、両親はもういないし。
律さんのお家は名家だから、右京のような人間はダメなのよ」
清花は寂しそうに笑った。
泣くのを堪えているようにも見える。
「社長、ち、違うんです…
右京さんの家庭環境も人となりも全然関係ないんです」
律は右京と清花のプライドのためにも話さなければならないと思った。
あなた達の人生や生き様を否定しているわけではないのだと・・・
「本当の理由は…
社長、笑わないで聞いてもらえますか…?」
律は一気に話し始めた。
まずは伊集院家の女子にまつわるまがまがしい言い伝えから、そのお告げの夢をこの間自分が見てしまった事を。
そして最後にこう付け加えた。
「信じる信じないも自分次第なんです。
私は全く信じていません」