お告げの相手は誰ですか?



清花はこれまでたくさんの人達と関わってきた。
でも、今の時代にお告げを信じている一族には出会った事がない。
そして、何を隠そうその一族の女子を弟が愛してしまっている。


何かのメロドラマを観ているようだわ…


「律さん、今日、おばあさまはどちらにいらっしゃるの?」



「祖母ですか?」


律は嫌な予感がしたが、聞かれたら答えなきゃならない。


「月曜日は新宿にある本社にいると思います」



「分かりました」


清花はスケジュール帳を取り出して入念に調べ始めた。


「社、社長、まさか、祖母の所に行くおつもりですか?」



「おばあさまが会って下さればね…
この件は私自身でアポを取るから、律さんは何もしなくていいです」


清花は困惑している律の顔を見て目を伏せた。


「私に何ができるか分からないけど、右京の力になってあげたいの。

あの子は小さい時から我慢ばかりして育った。
社会性がなかったり、世間に対して妙に冷めてたり、私は色々と悩んだりもしたわ。

でも、律さんと会ってから右京の世界が変わった気がするの。

右京から律さんを奪ってほしくない…

家族としておばあさんと話ができればと思ってる…」





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