お告げの相手は誰ですか?
「会長、そのお告げの話を私にも聞かせてもらえませんか?
伊集院家の女子に伝わるという事は律さんに聞いたんですが、ちょっと興味を引かれてしまいまして」
貴子はとても嬉しそうな顔をした。
「律は、今の時代誰も信じないからそんな話を人には絶対しないでって言うんですよ。
これには古い歴史がございましてね…」
貴子は清花の事を一目見て気に入っていた。
清潔感に溢れ、堂々と物怖じしないその姿勢に、成功者の貫禄を垣間見た。
貴子はまずは自分の話から始めた。
お告げの夢を見てすぐにその相手と出会ったところから。
「本当の話なんですね…
そんな代々続いているなんて思ってもなかったです」
清花は敗北を認めるしかなかった。
言い伝えにしてはリアリティがあり過ぎる。
「でもね…
律の場合は…」
清花は上目使いで貴子を見上げた。
「私達の夢は顔も名前もはっきり認識できたんだけど…」