お告げの相手は誰ですか?




律が、少し沈んだ声で言うと慎之介は「そうなんですか…」と静かに言った。


「あ、僕は、田中慎之介といいます。

よろしくお願いします」


律は慎之介の顔をジッと見ていた。
髪は少しくせ毛でふんわりとした髪形をしている。
顔は小さく目は一重のつぶらな瞳で、全体的に大人しい雰囲気を醸し出している。


「田中さんは背が高いですよね。

何かされてたんですか?」


慎之介はチラッと律を見て恥ずかしそうにうつむいた。


「背は高いだけなんです。

別にスポーツもやっていたわけではないので」


慎之介は、年上のお姉さまを前にして物凄く緊張していた。
年下か同じ年の女の子としかつき合った事がない慎之介にとって、律の大人の対応には心が揺さぶられた。




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