お告げの相手は誰ですか?
今度は慎之介が律を観察していた。
ゆるやかなウェーブのかかった肩にかかるくらいのフェミニンなショートボブがよく似合っている。
目は慎之介とは対照的な大きな二重の瞳だった。
鼻がちょっと上を向いているのが、綺麗より可愛いらしさを引きたてている。
この“ALLmall”の会社は綺麗な人が多いと評判だったが、まさに律はその中に入っている。
「伊集院さんは、もうここには戻らないんですか?」
なんて優しい子なのだろう…
傷心真っ只中の律は、慎之介の言葉に感動した。
「どれくらいになるかは分からないけど、しばらくは秘書課勤務みたい…」
あの右京というとっつぁん坊やが一人前になるまでは…
律は無意識にうちにため息をついていた。