お告げの相手は誰ですか?
「もし僕が分からない事があったら、誰に聞けばいいんでしょうか?」
慎之介は、さっき会社を見学した時に秘書課の場所も確認していた。
二階の一角にひっそりと社長室と秘書課があった。
「その時はどんどん私を呼んでいいからね。
喜んでここへ来るから。
遠慮しないで連絡ちょうだい」
律は藁にもすがる思いだった。
慎之介とのつながりを保っていたい。
本当にお告げの夢の相手ならこのつながりは切れないだろう。
「はい、その時は伊集院さんに連絡します」
「あ、伊集院さんって言いにくいでしょ?
律さんでいいからね」
律は本当に必死だった。
慎之介が少しでも私を好きになってくれればいいのだけれど…
「は、はい、律さん」