お告げの相手は誰ですか?
そう、知美お姉ちゃん…
ママの妹、私の叔母。
今年で38歳になる知美お姉ちゃんはいまだにお告げの夢が現れない。
そのためか偶然か分からないがいまだ独身。
でも、彼女は悠々自適にスペインでフラメンコの修行中。
それはそれでいいじゃない?
それに順番でいったら私よりまず知美お姉ちゃんでしょ?
母も祖母も曾祖母も何故か男兄弟に恵まれず、結婚する相手は婿養子で伊集院家に入ってきた。
だから、きっと、こういう変な話が伝わっているのだろう。
私には20歳の弟がいて良かった。
夢やお告げにとらわれず自由恋愛、自由結婚やらさせていただきます。
と、律はずっと思っていた。
ところが、4月に入ってすぐのある日、その夢は突然現れた。
体は起きる準備を始めていた。
体内時計はしっかり律を目覚めさせる時を刻んでいる。
でも、朦朧とした頭の中でその夢はいよいよ始まりを告げた。