お告げの相手は誰ですか?
律は車の横で何気に立っている右京の事をぼんやりと見ていた。
あんなに美人な社長の弟だもの。
こんなイケメンでもなんら驚くことはない。
でも、こんなにスーツが似合う人を初めて見た。
髪もさらさらで、無造作に伸ばしている髪型はやけにセクシーだ。
奥二重で切れ長の目は、見ようによっては怖くもなるしふぬけにも見える。
もし右京が免許を持っていて運転が上手かったら、私、惚れてたかもしれない。
でも、それはマジであり得ない。
だって、私にとっては運転ができない男なんて、何があっても惚れることはないから。
「右京さん、まずは社長室に行きましょうね。
その後、会社の中を案内します」
右京は面倒くさそうに肩をすくめた。
「俺は、一応、清花の秘書って事になってるみたいだけど、別に秘書の仕事はする気はないから。
それは、律に任せる。
よろしくね」