お告げの相手は誰ですか?



律は右京を社長室に連れて行った。
すると、社長室の前にある秘書室には真新しい机が二つ並んでいる。


なんで私は秘書課に配属されたのだろう…
秘書室と社長室しかないこの二階に、右京と二人だけなんてやっぱり寂しすぎる。


律は総合企画部に戻りたかった。
新しく慎之介も入ってくる。
自分にとって結婚がかかっている大切な時に、こんな離れ小島のような課にいたくはなかった。

律は清花に相談してみようと思った。
右京の送り迎えを毎日欠かさずすることを条件に…


右京は社長室に入ると、いきなりドカッと革張りのソファに座り込んだ。


「清花、今日は何をするんだっけ?」


右京はそう言うと、隣で咳払いをする律の蛇のような目線に気がついた。


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