お告げの相手は誰ですか?



律はある見慣れた風景を見ている。
律の働く通販サイト会社“ALLmall”の入社式だ。

20人程の新入社員を律は後ろから眺めていた。
するとそこで画面が変わる。
会社の大会議室に続く廊下に律は立っている。
大会議室では入社式の終わりを告げていた。
そして、ガヤガヤと正面出口から新入社員が出てくる気配の中、出てきたのはたった一人。
背の高い黒髪のスーツが似合う男性・・・

でも、その彼が律に歩み寄る前に、律は飛び起きてしまった。

顔もよく見えなかった、ましてや名前すらきいていない。

でも、律の心は確信していた。


お告げの相手が現れたと…



ベッドから飛び起きた律は、すぐに顔の感じや雰囲気をメモに書き出した。
でも、そこに書かれた情報は、新入社員の背の高い黒髪の男だけ…


それでも、律の心はざわついていた。
あれほど信じていなかったあの迷信を、今なら素直に信じる事ができる。


そういう予感がした。

私の未来の旦那様が夢に現れちゃった…




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