お告げの相手は誰ですか?
ついていけない
律はすっかり上機嫌になっていた。
昨夜、律が仕事を終えて家に帰ると、母と祖母の貴子が手ぐすねを引いて待っていた。
「律、お告げの相手には会えたかい?」
祖母の貴子は少女の様に顔を輝かせている。
「多分、ね。
夢の中ではっきり顔が見えたわけではないし、名前も知らないし。
でも、なんとなくシルエットが似てる人がうちの係に入ってきたの」
いや、もう、違う係だけど…
「律、不思議とね、縁がを感じる事柄が多くなったりするんだよ。
その人がお告げの相手ならね…
もう会えないと思っていたのに道端でばったり会ったりとか、友達の友達だったりとか」
祖母は自分の若かりし頃を思い出しているのか頬が赤くなっていた。