お告げの相手は誰ですか?
お告げ その弐
癒しと矛盾
律は自分のマイカーに右京を乗せていた。
15時半過ぎに退社する右京を、家まで送っているからだ。
今日の律の仕事は、秘書室の模様替えに一日を費やした。
ほとんど席につくこともなく片付けをしていた律は、全く片付けをしない右京にイライラしていた。
右京の机の上は備品の山だ。
でも、律は右京に何も言わなかった。
もういい大人なんだし、自分のタイミングできっと片づけるのだろう。
が、しかし、退社する時間になっても右京の机の上は片付かないままだった。
「律のこの車、結構乗り心地いいかも…」
「良かったです。
このミニクーパーは見た目は小さく見えるんですが、4ドアタイプなので乗ってみたら結構広いでしょ?」
助手席に乗ってる右京は、律の右頬を人差し指でつついた。
「やっと笑った」