お告げの相手は誰ですか?




「でも、何で清花の車じゃなくて律の車なんだ?
送迎には清花の車を使うんじゃなかったっけ?」


右京は律のシンプルな車の中の内装を見ながらそう言った。


「実は、今夜、送別会と歓迎会が入ったので、このついでに家に車を置いて来ようと思って」


律は分かり易い女だ。
顔はウキウキした表情になり何だか楽しそうだ。


「何?
なんかお目当ての彼でもいるの?」


それまで絶対に前方から目をそらさなかった律が、一瞬ギョッとした目で右京を見た。


「い、いませんよ、そんな人…」


必死に冷静を装って返事をする律を、右京は隣からジッと見ていた。



ふ~~ん。
彼氏でもいるのか?
ま、そんな事、俺にとってはどうでもいい。



「律って彼氏とかいんの??」



頭と心は別物だ。
律の事に関しては、俺は理性より本能が勝っているらしい。













< 42 / 152 >

この作品をシェア

pagetop