お告げの相手は誰ですか?
「でも、何で清花の車じゃなくて律の車なんだ?
送迎には清花の車を使うんじゃなかったっけ?」
右京は律のシンプルな車の中の内装を見ながらそう言った。
「実は、今夜、送別会と歓迎会が入ったので、このついでに家に車を置いて来ようと思って」
律は分かり易い女だ。
顔はウキウキした表情になり何だか楽しそうだ。
「何?
なんかお目当ての彼でもいるの?」
それまで絶対に前方から目をそらさなかった律が、一瞬ギョッとした目で右京を見た。
「い、いませんよ、そんな人…」
必死に冷静を装って返事をする律を、右京は隣からジッと見ていた。
ふ~~ん。
彼氏でもいるのか?
ま、そんな事、俺にとってはどうでもいい。
「律って彼氏とかいんの??」
頭と心は別物だ。
律の事に関しては、俺は理性より本能が勝っているらしい。