お告げの相手は誰ですか?
律は頭を抱えていた。
「それに、はっきりと見えたわけじゃないの。
何もかもがぼんやりと…
それでもいつもの夢とは何か違ってて、もちろん朝方に見たし、心がざわついてるし」
「律ちゃん、きっとその夢に違いないわ。
入社式は明日だっけ?
それに律ちゃんも出るの?」
律はよくよく考えてみた。
律の在籍している総合企画部に新入社員は4人と聞かされている。
確か、女の子1人に男の子が3人…
でも、夢に出た場所は入社式だ。
ということは、今年新卒で入ってくる男性社員全員が対象となる。
律は途方に暮れてしまった。
「入社式には私は出ない。
そしてうちの部には4人しか新卒さんはこないから…
確か今年の新卒の男性社員は10名って聞いたけど、その中から捜していかなきゃならないの?」
恵美は律の手を握った。
妹の知美の件があるために、この類まれなチャンスを棒に振るわけにはいかない。
「律、頑張るのよ。
あなたのお婿さんはもうそこまで来てるんだから…」