お告げの相手は誰ですか?




でも、慎之介は律との約束は絶対に忘れなかった。
自分が律に惹かれていることは分かっている。
今日は引継ぎよりも律に会いたくて、二日酔いの体に鞭打ってやって来た。

律は相変わらずきれいだった。
いつもは下している髪を今日は一つにまとめている。
スキニーのジーンズに白の大きめのブラウスを着ている律は、思っていたよりスタイルがよかった。


「じゃ、今日は簡単に済ませましょ。
二日酔いだったらきついもんね…」


律は明らかに二日酔いの顔をしている慎之介に気を遣った。


「大丈夫です。
律さんにこんな風に教えてもらえることが僕は嬉しいんです」


慎之介はそう言った後、照れくさくて横をむいてしまった。



なんて、可愛いんだろう…
顔を赤くしちゃって…


律は慎之介の初々しさに顔がほころんだ。






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