お告げの相手は誰ですか?
「僕は…」
律は慎之介のこの一言で、順風満帆の自分の計画が一瞬で崩れ去るのを感じた。
「実は、僕には彼女がいるんです」
律は動揺している自分を悟られないようにするのに必死だった。
「でも…
この春で遠距離恋愛になっちゃって…
彼女は就職で大阪に行きました。
勤務地は東京を希望していたんですけど…」
「そ、そうなんだ…
それは、寂しいね…」
私が寂しい…
「お互い忙しくて、中々連絡もとれなくて」
そうだよね…
そんな簡単なものではない。
夢に見たからってすぐに結ばれるわけじゃない。
「そっか…
慎之介くん、彼女いるんだ…」
律は無理に笑顔を浮かべ、慎之介を見てそうささやいた。