お告げの相手は誰ですか?




昨日から俺はおかしい。
学生の頃に味わったほろ苦い初恋のような変な気分がずっと続いている。
清花の言葉に惑わされるな。

律には律の生活がある…


と、ずっと思っていたのに。


右京は清花達が外出した頃合を見計らって、自転車に乗り散歩に出かけた。
別に律の事が気になっているわけではない。
会社の先にある大型スーパーに買いたい物があるためだ。
右京は自分に必死に言い訳しながら、会社の駐車場に着いた。
そこには一台だけ、律の車がポツンと停まっていた。


もしかしてあいつら、この広いオフィスに本当に二人きりなのか?


右京は何度も二人のいる場所に乗り込もうとしては、すぐに引き返した。


本当に俺は一体何をやってるんだ…


すると、誰かの話し声が聞こえた。
右京は駐車場まで走って戻った。


隠れないと…
こんな所で見つかったら俺はただのマヌケ野郎だ…



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