お告げの相手は誰ですか?




「あ、ごめんなさい。
でも、律さんとの予定を組んでいれば、なんか来週から頑張れる気がして」


律はちょっと複雑な思いを感じながら、スケジュール帳を開いてみた。


「じゃ、来週の土曜日の夜はどうかしら?
でも、慎之介君は彼女がいるんだから週末にもし用事が入ったらいつでも連絡して」



「はい…
でも、今のところ大丈夫です。
場所はまた僕の方からLINEしてもいいですか?」


律は小さく頷いた。
慎之介には彼女がいる。
その事実は生真面目な律の心に大きくのしかかっていた。


会社の正面玄関で律は慎之介と別れた。
少しだけ肩を落として駐車場へ向かっていると、自分の車の隅に人影を確認した。


誰? 車上荒らし??


律は慌てて車まで走り出した。


私の大切な車に傷なんかつけたら承知しないから。



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