お告げの相手は誰ですか?
右京は、ドツボの状況にもう開き直るしかなかった。
何を見たのか、律はものすごい形相でこちらに向かって走ってくる。
「誰ですか?」
律は息を切らしながらその不審人物に大きな声で詰め寄った。
「俺だよ…」
右京はこの男勝りの律には敵わないと、母親に見つかった小さな子供のような顔をして立ち上がった。
「右京さん??
そこで何をしてるんですか?」
律は居るはずのない場所に居る右京を見て、全く状況が呑み込めずにいた。
「あ、その、あれ?
いや、実は…
実はその先にあるスーパーに行こうと思ったら、律の車を見かけて…
本当に律の車なのか確かめに来たとこなんだ」
そう、嘘はついてない。
偶然にだ…
偶然を貫きとおせ、右京…