お告げの相手は誰ですか?
日曜日、律は右京のマンションのロータリーに車を停めて待っていた。
行き先は海に決めた。
昨夜、右京の携帯にそうメールしたが何の返信もなかった。
本当に行く気があるのか不安になったが、やはり真面目な律はしっかり準備をして今ここで待っている。
しばらく待っていると、小さな女の子を連れた右京がこちらに向かって手を振っているのが見えた。
律が車から出ると、そこには小さな清花が立っていた。
「阿部優花です。
今日は私も海に連れて行って下さい」
4月に一年生になったばかりの優花は本当に可愛かった。
「優花ちゃん、お母さんにそっくり。
全然大丈夫です。一緒に行きましょう」
律がそう言うと、優花はにっこり微笑み右京に抱きついた。
律の隣の助手席には優花が乗った。
右京は後部座席でいじけている。
優花はすぐに律になつき、小学校での楽しい話をたくさん聞かせてくれた。