お告げの相手は誰ですか?
「律さんは彼氏っているんですか?」
おませな優花はドキリとする質問を律に聞いてきた。
「優花ちゃんは彼氏はいるの?」
律がそう切り返すと、優花はチラッと後ろを見てから小さい声でこう言った。
「優花ね、本当は彼氏がいるの…
でも、大きな声で言えない…」
「なんで?」
優花はもう一度ちょっとだけ後ろを見た。
「だって、右京が寂しがるんだもん」
律は吹き出しそうになった。
この28歳の右京は6歳の女の子にまで心配をさせている。
「でも、ママが右京を突き放しなさいって。
優花は右京が大好きだけど、でも優花はもう一年生で彼氏もいるし」
「そっか…」
「律さん、右京をお願いします。
だって、右京がこんな風に女の人とデートするって凄いことなんだから」