お告げの相手は誰ですか?
律は本当に楽しそうに遊んでいる右京と優花を、目を細めて見ていた。
今日は快晴で雲一つない空だ。
でも、ひんやりとする涼しい風がまだ春の季節を感じさせた。
「優花、相撲をとるぞ。
この間は俺が勝ったから1勝1敗だろ?
今日で決着をつけるそ」
右京がそう言うと、優花は律の元へ一目散で走ってきた。
「律さん、優花のこの可愛いサンダルを持ってて。
今日は絶対右京には負けない。
律さん、ちゃんと見ててね。
右京ってすぐにズルするから」
可愛い優花はそう言うと、砂浜に小さな円を描いている右京の元へまた走って行った。
律はこのテンションの高い叔父と姪の関係を笑いを堪えながら見ていた。
右京もサンダルを脱ぎ捨て、まるでヒール役の悪役プロレスラーのような動きをしている。
律は笑いが止まらなかった。
これは絶対相撲じゃない。
レスリングのようなプロレスのような鬼ごっこのような。
舌をベロベロ出して雄たけびをあげている右京は、ただのおバカなモンスターにしか見えなかった。