お告げの相手は誰ですか?
小さな円の中で小突き合ったりしている二人の戦いは、中々決着がつかない。
本気で怒っている優花は、容赦なく右京のすねの辺りをキックしていた。
「優花、それ反則だろ~~
今日の俺は短パンなんだからそこはマジで痛い」
何も聞こえないふりをしている優花は、右京のその言葉を聞いてますますすねへのキックを止めなかった。
すると、右京は仰向けにまばたきもせずに倒れた。
優花はまた立ち上がってくるかもしれないモンスターの様子を確かめてから、「勝った」と叫んだ。
律は涙が出るほど笑った。
こんなに笑ったのっていつぶりだろう…
でも、きっと、遊びとはいえ、右京のすねは大変な事になっているはず。
優花が日陰で飲み物を飲んでいる間に、律は右京の元へ行った。
右京はまだ砂浜に両ひざを抱えて座り、海を見ている。
「律も座って」
右京はそう言うと、律の腕を掴み隣に座らせた。