お告げの相手は誰ですか?
海鮮丼を食べ終わった頃は、もうお昼の3時になっていた。
優花は眠たいようで半分目が閉じている。
「そろそろ帰ろうか?」
右京は優花を背中におぶって、車まで連れて行った。
優花はこの背中に慣れているのだろう。
右京が歩き始めた途端に目を閉じてしまった。
優花を後部座席にゆっくりと寝かすと、右京はニコニコして助手席に乗ってきた。
「じゃ、今から歓迎会をしよう」
律はクスッと笑った。
そして、隣に乗っている右京の横の髪に砂がついていることに気づいた。
「右京さん、じっとして」
律はそう言うと、右京の髪に手を伸ばし優しく砂を払った。
すると、右京がすぐに顔をこちらに向けた。
とても近い距離に二人の顔がある。
「律の鼻の頭、赤くなってるぞ。
日焼けした?」
律がまたクスっと笑うと、右京は不意に律のくちびるに軽くキスをした。
律は驚いて目を丸くすると、右京はしたり顔で助手席の背にもたれ寝たふりをしている。
「可愛い律、今日はありがとうな…」