お告げの相手は誰ですか?




そして、右京はそのまま寝てしまった。


何が歓迎会しようだよ…


そう思いながら律は右京の顔を覗いてみる。
律の方へ体を向け、すやすやと熟睡している。

律は恐ろしいほど心がざわついていた。
胸が苦しくて仕方がない。


でも、これはきっと好きという気持ちではないはず。
だって、右京は運転もできないし、お子ちゃまだし、人間関係だって得意じゃない。
そんな男の人を私が好きになるはずないもの。

それに…
右京はお告げの相手じゃない。
お告げの相手は田中慎之介君で、こんないい加減な28歳じゃない。


律は運転をしながらずっとそう思っていた。

でも、でも…
さっきのキスは何だったの?
右京のすることは理解不能な事がほとんどだけど、私の心はびっくりするくらいときめいた。

伊集院家の女子として、今が一番の大切な時なのに…



右京の気まぐれなキスにこんなドキドキしてどうするの??




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